今回は珍しく、面白いと思えなかった本を(ヒドイ)。
恩田陸作品では地味だけど「球形の季節」が一番好きである。
他に「MAZE」や「三月は深き紅の淵を」など、初期の作品が
好きだ。
今回は、奥多摩で1994年に40代の女性二人が飛び降り自殺をして、
その記事が頭の隅にずーっと残っていた作者が満を持して
それを作品にする、というお話。
勝手にルポルタージュとかフェイクドキュメンタリーのような
ものを想像していたが、本書は作者が女性二人の生活や心情を(想像して)
書いた部分と、
作者の雑感のようなものが交互に書かれている。
登場人物全て女性なので誰のモノローグなのか分かりにくい部分
があり、時間軸も曖昧なので混乱した。
そして、作者のパートは本当にそれいる?と思うような
とりとめのない「雑感」としか言えないものが書き散らしてある感じで、
読み終えても結局なにがいいたかったのか、なぜ同居していた二人は
死を選んだのか、サッパリわからなかった。
なんとなく、独身であまり若くない女性の生き辛さや
行き詰まり感みたいなものは書かれている。
都心のマンションに住み続けることの大変さ、とか。
しかしそれを言ったら「まあ、そうだよね」としか言えない。
若くても人生に行き詰まりを感じて諦めてしまう人は沢山
いるし、なんとなくやり過ごしながら
生きていける人もいるだろう。
そもそもこの記事は事実なのだろうか。
だいぶモヤッとする読後感だった。
次は、そんな物価も家賃も高い都会生活
に疲れた人がIターンした土地で巻き起こる
(多分)悲劇・・・?
「Iの悲劇」を読もうと思う。
結局厭ミスがなんだかんだ好きなのだ