ETV特集の続き。再放送で全部見た。
母親も精神疾患を抱えていたこととか、
父の几帳面な字で記された家族の記録が
胸を抉る。
父も間違ったことをしている訳じゃなくて、
ただ自分がそうして生きて来たように、息子にも
努力して幸せになって欲しかったのだろう。
父が考える“人並みの/普通の 幸せ”。
ただ、世の中はみんながみんな努力すれば何もかもうまくいく
という世界ではなくて。
どうすれば良かったのか。
おそらく、父は息子に「普通じゃなくてもいい、
ただ生きていてくれるだけでいいんだよ」と伝えて
あげれば良かったかなと思う。
もし伸一さんがケガや病気で一命を取り止めた
状態なら、そういう言葉をかけられただろう。
でも、受験や就職に挫折して、そのまま家で
漫然とすごす状態をみたら、なぜ他の同世代の若者と同じように、
外で働いて自己実現をすることが出来ないのか、
もどかしい気持ちが強かったんだろう。
あの、子供たちが小さかった頃の
絵に描いたような幸せそうな家族写真とのギャップが
大きくて。
「辛過ぎる、もう見ていられない」と思うのに、
一種の自傷行為なのか、不思議と最後まで見てしまう番組だった。
私が重いドキュメンタリーが好き というのもあるけれど。
他者(家族も)から存在を肯定される、あなたは
存在しているだけですばらしいんだよ、と
認められることって、とても大事なこと。
でもなかなかそれを口に出して言ってもらう機会はない
ということを強く感じた。
猫にはたくさん言っているけど、人にはなかなかね。