てきとうnote

発達障害の生き辛さあれこれ

ひとりぼっちが怖かった【感想】【読書】

 

『ある行旅死亡人の物語』みたいな感じかなと、

軽い気持ちで読んだことを後悔した本。

帯にあるように、実際の裁判の傍聴記録と判決が

短くまとめてあり、そこに取材をした記者の感想

が添えられているのだけど…

 

とにかく後味の悪い事件ばかり。

もうちょっと、事件を起こす前に、周りや

本人がなんとかできなかったのか。

たらればだけど。

老々介護や、孤独の中で唯一の肉親を看取って、

そのことを誰にも告げられず遺体と過ごした人。

父や弟と同居していたのに、同じ家の中で

母親が亡くなったことを家族にも言えなかった人。

父にも弟にも障害があったみたいだけど、「な、なぜ?」と

読む程に眉間に皺が寄っていくのが止められない。

子どもの虐待とか、孤立と貧困、発達障害らしきもの、

社会の隅に追いやられて直視しないように

してきたもの全部の詰め合わせ的なもの。

なので一気に読むと叫び出したくなるくらい、

メンタルに悪影響がある。

 

しかし、読むとメンタル不調に陥るのを分っていても、

あえて映画を観たり読んでしまう時がある。

一種の精神的な自傷行為のよう。

 

そこで感じたのは、適切にヘルプを出すことの大切さ(再び)。

なんだけど、あまりにも困難な状況にいると、自分が困っている事さえ

分からない時があるんだと思う。

渦中にいると、目の前のことに対処するのが精一杯で、

逆に感情を殺したり自分の辛さに気づかないふりをしてしまったり。

後から思い返して、「うわー、あん時の自分凄い可哀想だった。もっと周りに

助けてって言っても良かったのでは?」とあくまで後から

思いつくのだ。

 

いつももう一人の自分を部屋の隅から眺めているような、幽体離脱のように、

俯瞰してみる余裕があるといいのだな、と思った。

そんな冷静さと客観性を持っていたい。

そして辛い時のヘルプの出し方を、義務教育で

教えてもらう機会があればいいな、と。

 

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 成人発達障害へ
にほんブログ村