観るのは初めてではないけれど、つい最後まで見てしまった。
結論から言うと、再放送でうっかり見始め、
最後までついつい見てしまう映画は傑作であると思う。
公開当時も自分はすでに成人していたけれど、
今見ると千尋のご両親より自分って
年上になったんじゃないかと思う。
それゆえ、初見ではちょっとぐずぐずしているように
見えた千尋が、(年齢の割には)物凄く行動力と
自分の意思をハッキリ持った強い少女に感じた。
大正モダンのような、台湾の九份の様なレトロで少し懐かしく、
ジブリらしいスチームパンクが融合した猥雑で魅力的な街と湯屋。
カオナシは承認欲求モンスターなのか。
最後まで正体が不明だけど、他者の目線や評価からでしか
自分の存在を確認出来ないこと、誰にでもそういう部分って
少なからずあるような。
何がしたいのか、なにが出来るのか自分にもわかっていないところ。
私が一番好きなのは、4人で水上電車に揺られていく所だ。
最後の諸星大二郎の世界に出てきそうな
道祖神(?)の所まで、トンネルを抜けて
歩いて行くシーン。
あっちの世界と元いた世界、二度と交差することはないのだろうか。
千尋はどんな大人に成長するのだろう。
ハク様は無事に自分のもと居た場所へ戻れたのか。
二人はこの先二度と会えないのだろうか。
見る人に想像の余地を残し、年齢によって
様々な見方ができる(ジブリ映画はたいていそうだけど)
素敵な作品なのである。