二人の研究者による往復書簡で、ざっくり言うと「生きること」
とか「運命」や「偶然」について語られている。
沢山引用があり、専門的な部分も多くやや難解だけど、
自分がボヤ―ッと考えていたことを的確に言語化(文字化)してくれていて、ハッとした。
私も以前から、いつか皆死んでしまう
急な病気になったり、事故や災害に巻き込まれる可能性もある。
でもそれは今じゃない。
一時間後かもしれないし、一年後、あるいは二〇年後かもしれない。
だからとりあえずそこから目を背けて、遊ぶ約束をしたり、
旅行の予約を取ったり、予定を立てる。ここから先の、
まだ確定していない未来の予定を。
だって明日もしかしたら自分がこの世にいないかも、と思ったら
逆に何もできないから。
重い病気にかかった人に、周りが善意で怪しげな代替療法やお守りや
お札などを勧めてくる話とか、実際に身近で経験しているので、
あーあーーと思った。
でも、民間療法に縋りたくなる気持ちも凄くわかる。
具合の悪い人にかける言葉が限られてくる話とか、
身体的な病気以外でも、特に鬱病とか、
「お大事に」や「絶対よくなるから」なんてうかつに
言えないよなー。じゃあなんて声を掛けたらいいんだろう?
自分だったらなんて言われたら嬉しい?
とよく考えていたので、少しヒントがもらえて良かった。
他にもいろいろあるけれど、
きちんと理解しようと思って、何度か前のページに
戻りながら読んだ。
だいたいフィクションの推理小説や軽いエッセイばかり
読んでいる私には、珍しいことだ。