てきとうnote

発達障害の生き辛さあれこれ

閉鎖病棟―それぞれの朝—【感想】

暑さで外出が出来ず、ほとんど動画を見て過ごしている。

 

で、今日はなんとなく気になっていた映画

閉鎖病棟』を見た。

*ネタバレ含む *個人の感想です

公開時のポスターのイメージから、

「泣ける話」なんだろうなあと嫌な予感が

モリモリしていたのだが、(感動させようとする話 が大嫌いな私)

のっけから、ずいぶん自由な病棟だなあ、

監視カメラとかも全然ないみたいだけど、大丈夫?

と自分の持っている閉鎖病棟の認識との違いに驚く。

 

別の方のネタバレを読むと、原作と映画で時代設定が違い

そこをあいまいにする事で、

管理のゆるーい病院になってしまったようだ。

それにしても、患者さんの心身の安全をあそこまで

守れない病院て…

原作は80年代から90年代後半のよう。

役者さんの演技は素晴らしいのだけど、

死刑執行から生き返ったとか、突飛な設定でなくても

良かった気がする。

そして綾野剛が退院するくだりでは、

妹さんの「誰が責任取るんですか」にめちゃくちゃ共感してしまう。

 

何年かは分らないけど、閉鎖病棟に長期入院して

社会と隔絶されて生活していた人が、

いきなり退院して働きながら認知症の母親の面倒を一人で見るって、

数か月後に2人が孤独死する未来しか見えないんだが。

もちろん、不当な長期入院や精神障碍者への差別は

無くなって欲しいけど。

私も精神疾患を持つ一人で他人ごとではないし。

 

しかも、看護師さんは「ダメなら帰ってくればいいのよ、無理して頑張るのが

一番ダメ」って。

いや、そしたらお母さんの面倒誰が見るんだよ。

妹は施設に入れるって言ってるぞ。

お母さんが一緒に入院するのがベターな解決策なのでは?

 

そして、閉鎖病棟に確実に存在するはずの

身体拘束の描写が一切ないのも違和感を覚えた。

そんなに大人しい患者さんばかりなのかなぁ。

 

と言うように、私の好きな吾妻ひでおの「アル中病棟」と比較しても

精神科病院の現実よりは

かなりファンタジー映画の度合いが強く、

“日本中がむせび泣いた!”のコピーも

“日本中が突っ込んだ!”の間違いでは?

と思うお話だった。

17歳のカルテ』の方がリアルで好きだ。

辛口でごめん。

 

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