気になっていて、やっと読めた。
著者は高校中退やひきこもり経験もあり、
大学も一度中退して別の大学を卒業している。
その辺は本当にサラッとしか書いていないので、
個人的にはもっと詳しい経緯が知りたかった。
その後閉鎖病棟に入院する際に受けた検査で
発達障害の診断を受ける。
病棟には同じように発達障害と診断された
10代の少年たちが入院していて、著者は
彼らと親しくなるのだが、彼らの起した出来事や
一般的ではない感情表現に戸惑い…
他にも数十年入院している人とか、閉鎖病棟の独特の
厳しいルール(あらゆる紐の持ち込み禁止・金銭管理等)
向精神薬で心身の自由を失った人。
一般的に想像する恐ろしく、一度入ったら
二度と出られない閉鎖病棟のイメージに近い描写がそこにある。
でも、閉鎖病棟に入ったら全て終りというわけではないし、
実際著者は3ヶ月で退院しているし、
今は対岸から見ている自分もいつか入院するかもしれない。
でも決して再起不能ではないのだと思う。
個人的には、人手不足(精神科病院に限らないけど)と
長期入院の患者さんの問題を解消できたらなあと思う。
何の権威もなく医療者でもないわたしはいつか
そういう世界が実現したらなあ、と願うだけだ。